時計の捨象 #03

東京・原宿の「Seiko Seed(セイコーシード)」にて開催された展覧会「からくりの森」にて、セイコーの持つ時計の技術を使った作品を発表しました。
今回はメトロノームウオッチと音声デジタルウオッチを使用し、「時計の捨象」というテーマで三作品から構成されるインスタレーションを制作しました。

時計が時計であることを忘れたとき、彼らは何を思うのだろう。
捨象とは、ある物事の特徴のうち一部を残して他を捨てることにより、その物事の本質を探ろうとする思考方法です。「時間を刻む」という時計の本分とも言える特徴をあえて捨てたときに、それでもそこに残るもの。そのたたずまいや振る舞いを想像することで、セイコーのものづくりに対する姿勢や哲学が見えてくるのではないかと考えました。人々を笑顔にするセイコーのものづくりの一端を、この作品シリーズを通じて感じてもらえたら嬉しいです。

- 時計の捨象 #03
音声デジタルウォッチは、視覚障害をもった方にも使いやすい時計として1998年に生まれ、多くの人に親しまれてきました。この時計の本質は、音で時を知らせること、そして、あらゆる人々を包む優しさだと思います。
彼らは、自分たちのことを雨に例えるかもしれません。大地に等しく降り注ぎ、世界に潤いをもたらす雨。また「夕立」や「秋雨」といった言葉が表すように、雨は時間や季節の移ろいを、さりげなく、日常のなかに感じさせる存在でもあります。
そんな音声デジタルウォッチの心象風景を想像しながら、からくりの森を優しく包む雨の情景を描きました。

Year :

2022

企画制作 :

nomena

制作協力 :

中路 景暁

高橋 琢哉 (Oyster Inc.)

加藤 風芽

共同制作 :

セイコーウオッチ株式会社

映像 :

村瀬健一

Tag :

With nomena

Electronics

Installation

Mechanism