時計の捨象 #02

東京・原宿の「Seiko Seed(セイコーシード)」にて開催された展覧会「からくりの森」にて、セイコーの持つ時計の技術を使った作品を発表しました。
今回はメトロノームウオッチと音声デジタルウオッチを使用し、「時計の捨象」というテーマで三作品から構成されるインスタレーションを制作しました。

時計が時計であることを忘れたとき、彼らは何を思うのだろう。
捨象とは、ある物事の特徴のうち一部を残して他を捨てることにより、その物事の本質を探ろうとする思考方法です。「時間を刻む」という時計の本分とも言える特徴をあえて捨てたときに、それでもそこに残るもの。そのたたずまいや振る舞いを想像することで、セイコーのものづくりに対する姿勢や哲学が見えてくるのではないかと考えました。人々を笑顔にするセイコーのものづくりの一端を、この作品シリーズを通じて感じてもらえたら嬉しいです。

- 時計の捨象 #02
メトロノームウォッチは、時計の機能とメトロノームの機能をあわせ持つ腕時計です。普段は実直に不変のリズムを刻み続けるその時計ですが、ひとたびメトロノームに切り替わると、それまでの寡黙さからは想像できないほど緩急自在な動きを見せます。まるで、他の時計にはない「自分らしさ」を誇らしげに確認するかのようなその動きに、たおやかに翅を広げる蝶々のイメージが重なはねりました。
この作品では、時計に蝶々の翅を与えました。白日の空に蝶々が色を添えるように、時計たちは羽ばたきながら色彩の光をキャンバスに映します。

Year :

2022

企画制作 :

nomena

制作協力 :

中路 景暁

高橋 琢哉 (Oyster Inc.)

加藤 風芽

共同制作 :

セイコーウオッチ株式会社

映像 :

村瀬健一

Tag :

With nomena

Electronics

Installation

Mechanism