おいしいかたち
TAKEO PAPER SHOW 2023「PACKAGING—機能と笑い」にて機能性のあるパッケージという題の元、パッケージ案を提案し制作しました。
煎餅を食べるとき、小さく割ることで現れる不揃いな欠片のかたちが案外、煎餅の食体験にとって重要であるように感じる。行儀よく分割された煎餅より、不揃いの煎餅を私は選ぶだろう。形状の多様さが、飽きのこない食感を期待させるからだろうか。他の食品においても、不揃いであることと、魅力的に見えるかということには何らかの関係があるように思う。
食体験は、口にものを入れる前から始まっている。私たちは造形から美味しさを感じる能力を備えていて、それは食べ物そのものだけでなく、パッケージの造形に対しても作用するのではないだろうか。食品パッケージの多くは、運びやすさや並べやすさといった流通の合理性から画一的な直方体で構成される。そこで私たちは、三次元ボロノイという数理的手法を使い、煎餅を割るように、直方体の箱を不揃いな小片の箱に分割する設計システムを開発した。流通性を担保しながら、多様なかたちのパッケージによって、食品からさらなる美味しさを引き出そうとする試みである。
Year :
2023
制作統括 :
武井祥平
藤井樹里
デザイン :
竹山遼
髙田ふみ
木藤遼太
機構制作・制御 :
武井祥平
藤井樹里
システム開発 :
竹山遼
金子太一
藤堂真也
丸本椋太
制作協力 :
安田早苗
斉藤七海
高山芳の
中山千佳
森井裕史
布施木紗和子
濱本みずほ
櫟野蒼大
Tag :
By nomena
Product Design